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今、地方創生に必要なものとは? ~デジタル活用とアプリ~

2020.08.20

要旨

  • 人口減少・超高齢化の進展、また新型コロナウィルスの感染拡大のなかで、地方におけるデジタル化の遅れが顕在化している。今こそデジタル技術活用による地方創生を見つめ直すべきである。
  • 活力ある若者の地方への定着を推進し、地方財政を立て直すためには、若者にとって理想的な環境を整備することが不可欠である。
  • 「住民向け行政サービス提供アプリ」の必要性と重要性を提言する。短期的には行政サービスの最適化と市民との対話、長期的には移住者の増加と財政再建が実現されるだろう。

 

株式会社メタップスは、DX事業の一環として2020年9月15日に、ウェビナー:「地方創生に向けたDX化『官民共創によるニューノーマルへの挑戦』」を開催します。本ウェビナーでは本ブログ、および資料を題材にしております。詳細は下部に記載してあります。

 

地方創生の現状とデジタル活用の必要性

 

「人口の観点」

日本の少子化の進行、人口減少は深刻さを増している。それらに伴い生産年齢人口(15〜64歳人口)は、東京圏(東京、埼玉、千葉及び神奈川)を除く場合、2014年から2019年までの5年間で約298万人減少した。
さらに東京圏への転入超過数も増加傾向であり、2019年の1年間で約15万人(転出者数約35万人に対し、転入者数約49万人)が東京圏へ転入している。このように東京圏への一極集中が進展している。さらに、転入者の大半は若年層である。
他方で、内閣官房(2020)によると、東京圏在住者の約半数が地方圏での暮らしに関心を持っている。また、若者ほどその関心が高くなることが分かっている。
さらに、昨年度末からの新型コロナ感染拡大を受け、特に若者の地方移住への関心が高まっている。いくつかの地方自治体では移住に向けた相談窓口を設置するなど、対応に追われている。

 

以上の点から、地方自治体は活力ある若者の地方移住に向けた取り組みをより一層強化し、地方創生を見つめ直す必要がある。

 

「政策の観点」

第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が令和元年12月に閣議決定された。同総合戦略では、今後5年間の施策の方向性として、4つの基本目標と2つの横断的な目標を掲げている。令和2年度当初予算の地方創生関連への拠出額は2.5兆円である。
同総合戦略のうち横断的目標2は「新しい時代の流れを力にする」であり、デジタル技術を含む未来技術の活用が示されている。またデジタル分野との政策間連携の必要性についても示されている。

 

以上の点から、地方自治体は日本政府からの後押しのもと、デジタル活用や官民が連携して、地方創生に向けた取り組みを行うべきである。

 

「地方財政の観点」

図1に示した通り、生産労働人口が減少し、税収が減り続ける一方で、社会保障関連費は増大している。

 

図1「なぜ若者向けのまちづくりが重要か」

出所:総務省-a(2020)および総務省(2016)より筆者作成

 

このような困窮した財政を打開するために地方自治体は、以下のポイントを鑑み、政策を実行するしか手立てはない。

 

  • 活力ある若者を地方へ惹き付け、また留めること
  • 活力ある若者が使い慣れているサービス環境を構築すること

 

これらが実現されれば、若者にとっての「住みやすさ」が徹底的に追求され、中長期的には「移住者の増加」「財政再建」が実現される。

 

「住民向け行政サービス提供アプリ」の効用

 

我々は「住民向け行政サービスアプリ」が提供されるべきであると考える。これが提供されれば、短期的には、行政サービスの最適化と市民との対話が実現され、長期的には、移住者の増加と財政再建が実現されるだろう。

 

「なぜモバイルアプリなのか」

モバイルアプリはスマートフォンの中に実装される。スマートフォンはもはや社会インフラである。情報通信機器の世帯保有率の推移を見ると、固定電話やFAXが微減する一方、スマートフォンは急増しており、2018年時点で、世帯保有率は8割に迫っている。スマートフォンはその他の情報通信機器を差し置き、日本において最も活用されている情報通信機器となった。
行政サービスは、広く市民に伝達され、活用されるべきである。スマートフォン(モバイルアプリ)を介した行政サービスの提供は、行政にとっては、ペーパーレスによる経費・工数の最適化がなされ、市民にとっては、時間とお金の最適化がなされる。まさに活力ある若者にとって理想の環境である。

 

図2「行政制度のデジタル化がもたらす姿」

筆者作成

 

「あるべき行政サービスのカタチ」

行政サービスは包摂的に市民に対して提供されるべきである。そのため網羅的に情報を公開することと、最適なタイミングで最適な情報を提供することが必要である。

 

モバイルウェブとアプリの訪問者数と利用時間をそれぞれ比較したcomStore(2016)によると、訪問者数では、モバイルウェブがアプリの約3倍を示している。一方で利用時間では、アプリがモバイルウェブの約20倍である。これらを踏まえると、デジタルな情報提供の最適化された環境を見出すことができる(図2)。

 

  • モバイルウェブは、静的で一方向である。網羅的に情報を公開することに適している。
  • アプリは、動的で双方向である。最適なタイミングで最適な情報を提供することに適している。

 

図3「あるべき行政サービスのカタチ」

筆者作成

 

「アプリで実現できること」

住民向けの行政サービスのアプリを用いて、日常で密接に関わる情報提供を行うことができる。このような市民との対話や継続的で密なコミュニケーションが行政と市民との間で実現されることで、地域の暮らしやすさと行政への頼りやすさのイメージが醸成されるだろう。

 

既に山形県東根市では、「親子手帳」「ゴミ収集日の喚起」「防災情報」などがアプリを用いて市民に対し情報提供されている。その効果を財政面、人口面で見ることができる。
財政面では、決算が公表されている直近過去3年間(2016年〜2018年)で、各自治体の財政状況によって変化する地方交付金とふるさと納税分などを差し引き、市民税や固定資産税の合計である市税を見ると、全ての年度で増加している。
また人口面では、2020年4月時点で17,817人であり、前年同月から308人増(約1.7%増)である。さらに国立社会保障・人口問題研究所(2018)がまとめた将来推計人口では、山形県のうち東根市のみが人口増加すると推計された。

 

まとめ

 

今こそ地方創生を見つめ直すときである。そして、その起爆剤となるのは、活力ある若者とデジタル活用である。そのなかで我々は「住民向け行政サービス提供アプリ」の必要性と重要性を提言する。短期的には行政サービスの最適化と市民との対話、長期的には移住者の増加と財政再建が実現されるだろう。

 

地方創生に向けた取り組みは官民連携で行わなければなりません。株式会社メタップスは2007年の創立以降、アプリの歴史とともに成長してきた日本企業です。地方自治体にて行政改革に従事している方はもちろん、デジタル技術の活用を通じて地方創生に寄与したい方は、是非お問い合わせください。

 

資料

 

 

ウェビナー開催について

 

株式会社メタップスは、DX事業の一環として2020年9月15日に、ウェビナー『地方自治体 / メタップスとの共創によるニューノーマルへの挑戦』を開催します。
また、本ウェビナーは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成向けた官民共創に詳しい野村総合研究所 未来創発センター主任研究員の御友重希様、和歌山県企画部企画政策課長でワーケーション自治体協議会を主宰されている桐明祐治様、株式会社Public dots & Company代表取締役の伊藤大貴様をお招きして、官民連携での地方創生に向けたDX化、アフターコロナ時代の新しい経済、社会について語っていただきます。

 

【開催概要】
◆開催日:9月15日 16:00-17:30
◆開催方法:完全オンライン・参加無料
*配信はYouTube Liveを予定しております。事前登録いただくとYouTube Liveに関する情報をお送りいたします。
◆主催:株式会社メタップス
◆協力:野村総合研究所未来創発センター、SDGs Innovation HUB、株式会社Public dots & Company
◆参加費:無料(事前申し込み制)

参加申し込み・詳細は【こちら】

 

執筆者

白石 陸( riku_shiraishi@metaps.com )
株式会社メタップス データマネージメント事業部

2015年、弱冠18歳にして国際協力業界で活動をはじめる。2016年から、国際NGO日本リザルツにて国際保健に関する政策提言活動、及び東アフリカ・ケニアにて「スナノミ症対策プロジェクト」を企画立案・運営に邁進。2019年まで国際協力機構にて日本企業の海外展開を支援。2020年に株式会社メタップスにジョイン。「ITによる取り残さない社会の実現」がモットー。

 

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参考文献

1.国立社会保障・人口問題研究所(2018)「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」, 国立社会保障・人口問題研究所
2.総務省-a(2020)「人口推計(令和元年 10 月1日現在)」, 総務省
3.総務省-b(2020)「住民基本台帳人口移動報告 2019 年(令和元年)結果」, 総務省
4.総務省(2019)「令和元年度版 情報通信白書」, 総務省
5.総務省(2016)「平成30年版地方財政白書」, 総務省
6.内閣官房(2020)「移住等の増加に向けた広報戦略の立案・実施のための調査事業 報告書」, 内閣官房
7.内閣官房・内閣府(地方創生部局)(2020)「令和2年度 地方創生予算等の体系」, 首相官邸
8.日本政府(2019)第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」,首相官邸
9.東根市(2018)「平成30年度決算の概要」, 東根市
10.東根市(2017)「平成29年度決算の概要」, 東根市
11.東根市(2016)「平成28年度決算の概要」, 東根市
12.東根市(2020)「東根市の人口」, 東根市, Retrieved Augst 7, 2020 from: https://www.city.higashine.yamagata.jp/623.html
13.comScore(2016)”The 2016 U.S. Mobile App Report”, comScore

 

今後について

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また、研究結果を基にしたアプリ事業者様向けのセミナー等も企画をしており、様々な形でスマートフォンアプリ市場の成長に寄与できるよう尽力してまいります。
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