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セミナーレポート 官民連携・共創の必要性:地方創生に向けたDX化『官民共創によるニューノーマルへの挑戦』

2020.10.06

前回のレポート では、セミナーの趣旨・背景をご報告いたしましたが、今回は、参加者の皆さまから事前にいただいたご質問をもとに、「なぜ共創が必要なのか」「共創する場合の各部門のスタンスはどうあるべきか」「新型コロナの影響と官民共創」という3点について、登壇者の方々のコメントをまとめました。なお、本レポートは登壇者の確認を得たものではございません。

なぜ共創が必要なのか

 

Q 「SDGsと共創の関係について」

御友重希(株式会社野村総合研究所 未来創発センター 主席研究員 / 財務省より官民交流)
『SDGsの本質』(2020年、中央経済社)を執筆した。そのなかで重要な点として「世界共通目標・言語で共創と変革」「未来から具体的制約条件克服を逆算」「自分ごと(つながる個人→企業→国家)」を挙げている。SDGsは国家の集合体である国際連合によって制定されたが、その対象は国家だけでなく企業や個人まで含んでいる。またSDGsは世界共通の目標であると同時に、具体的な制約条件でもあると考えている。あるべき姿から逆算し、その実現のための戦略を現在から練る必要がある。まさにその際にイノベーションが起こるのではないだろうか。また私の原点でもあるチャタムハウス(王立国際問題研究所)では、100年前から官民連携・共創がなされていた。まさに「官民連携・共創が国家の基本なのではないか」と思っている。

Q 「和歌山県のワーケーションに向けた取り組みの中で、なぜ共創(Collaborationやinnovation)が必要だとしているのか」

桐明祐治(和歌山県 企画部企画政策局情報政策課長)
ワーケーションの文脈でも、単に社員のワークとバケーションの場ではなく、地域の社会課題解決やイノベーションに向けて企業とコラボレーションする必要があると考えている。地域として、企業と継続的に地域課題について議論をするモデルが作れるのではないかと思い、これに取り組んでいる。企業をお客様ではなくパートナーとしておもてなしする必要があるのではないか。

※和歌山県によるワーケーションの取り組みについては、後日詳細にレポートいたします。

Q 「地方議員の経験を踏まえ、なぜ官民共創が必要なのか」

伊藤大貴(株式会社Public dots & Company 代表取締役)
官民の間での人材の流動性について、日本だけ歪なのではないだろうか。社会課題が複雑化するなかで企業だけ、行政だけでは解決できない。そういったなかで共創する必要に駆られていると、官民での人材の流動性が高い欧米は、それに対応できている気がしている。他方、日本では膠着化してしまっている。官民が互いの文脈を理解せず、今日まで至っている。特にデジタルとリアルが融合したビジネス領域であるクロステック系の企業が掲げている目的は、社会課題の解決であるので、どこかで公共性、これまで行政がやっていたものと足並みが揃う。そのため行政への理解を試みない限り、本質的には社会課題の解決には至らない。そういう意味で官民共創は避けては通れない。今まさに官民共創が必要になっている。

共創する場合の各部門のスタンスはどうあるべきか

 

Q 「官民、さらに学術機関、市民社会のとるべきスタンスはどうあるべきか」

御友重希(株式会社野村総合研究所 未来創発センター 主席研究員 / 財務省より官民交流)
歴史的に見れば、官は王に支える官僚であり、民(資産家)は土地を差配していた貴族であった。この点で歴史的に見れば、官と民は一体となって生まれてきたと言える。学術機関は、科学技術を体系立たせ知識人の反乱を抑え、民に活かすという役割もあった。
100年経ち様々な面で官民の歪みが露わになった現代において、様々なレギュレーション(法律・仕組み・規制)が作られたが、デジタル変革によってそれがひっくり返っている。それぞれの分野におけるレギュレーションが作用し合う現代では、従来のレギュレーションでは公共性を担保できない時代になってきた。また学術機関は、証拠に裏付けられた政策形成(Evidence-Based Policy Making)の文脈で存在感が増している。政策、ビジネスを作っている際に、証拠を与えるという面で学術機関が果たす役割が大きくなってきている。最後に市民は、これまでプロテスト(Protest、抗議する)することで社会に影響を与えてきたが、デジタル化によって一人でも社会を創造し得るようになった現代においては、市民が主役になってくる可能性がある。

Q 「地方における官の役割とは何か」

桐明祐治(和歌山県 企画部企画政策局情報政策課長)
地方の官は、地域課題解決のために企業と行政を繋ぎ合わせるようなことが役割なのではないか、と考えている。

Q 「官民を繋ぎ合わせる役割として、どのように共創させているのか」

伊藤大貴(株式会社Public dots & Company 代表取締役)
官民では見えているステークホルダー(利害関係者)が違うと考えている。民は、売りたい商品・サービスがあるので、その消費者を見ている場合が多い。私が地方自治体に対してサービスを提供したい民間企業にコンサルティングを行う中で、重要だと感じているのは「そのサービスを提供することで何がどう変わるのか」という点。その成果に公共性があると良いのではないだろうか。

新型コロナの影響と官民共創

 

Q 「新型コロナの影響について」

御友重希(株式会社野村総合研究所 未来創発センター 主席研究員 / 財務省より官民交流)
コロナによる影響を分析した。通常の経済危機では徐々に影響が現れるものが三位一体で同時に現れた。例えば、短期、中期、長期で生じるリスクの同時発生、ヒト、モノ、カネの取引、三面等価(生産、所得、支出)、日本、途上国、先進国でのリスク同時発生、SDGsの文脈では経済、社会、環境に至るまで、あらゆる面で同時に一体となって影響を与えている。これらのコントロールは、デジタルでしか代替できないのではないかと考えている。また、脆弱なところから綻びが出てきたというのも特徴であったとも考えている。

Q 「地方が受けた新型コロナの影響について」

桐明祐治(和歌山県 企画部企画政策局情報政策課長)
地方におけるコロナの影響について、まず緊急事態宣言が出され往来が禁止されるというのは、最低条件が崩れたと思った。当時は経済的にも、人的にも、精神的にも隔離されたという感覚があり、暗澹たる思いがあった。現在は元の社会、もしくはニューノーマルを創っていこうという中で、新しい何かを創造しなければならないという危機感を持っている。

Q 「新型コロナを受けて、官民共創の必要性は高まったのか」

伊藤大貴(株式会社Public dots & Company 代表取締役)
これまで先延ばしにしてきた少子高齢化を含めた様々な問題に対して、コロナを受けて対応しきれなかったというのが、如実に直面した問題だった。特別定額給付金の給付の問題で、マイナンバーで申請するより紙で申請した方が早く手続きが済んだというのが象徴的だった。その中でいかに生産性の高い社会にしていくのかというのが突きつけられた課題であろうと思う。だからこそ、自治体のDXというのは意義深いし、共創の必要がある。行政のデジタルに関する知見がないと同時に、企業は「うちのサービスを使えばこうなる」というマインドセットになっており、公共性が足りていない。このような官と民の歩み寄りがなければ自治体のDXは難しい。

【登壇者】
御友重希(株式会社野村総合研究所 未来創発センター 主席研究員 / 財務省より官民交流)
桐明祐治(和歌山県 企画部企画政策局情報政策課長)
伊藤大貴(株式会社Public dots & Company 代表取締役)
白石陸(株式会社メタップス データマネージメント事業部 コンサルタント)

当日の様子はYouTubeにて、ご覧いただけます。


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