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セミナーレポート 地方創生とDX:地方創生に向けたDX化『官民共創によるニューノーマルへの挑戦』

レポート
2020.10.20

前回のレポート では、セミナーの官民連携・共創の必要性についてご報告いたしましたが、今回は、官民連携・共創して取り組まなければならない課題として「地方創生」を取り上げました。活力ある若者が都市から地方へ移動すること、またそれらを「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」で実現していくことが重要と考えました。その中で、和歌山県による「ワーケーション」の取り組み、メタップスによる「地域住民向けアプリ」の取り組みついて発信いたしました。なお、本レポートはセミナーの内容を基にした内容ではありますが登壇者の確認を得たものではございません。
 

和歌山県におけるワーケーションの取り組みについて

桐明祐治(和歌山県 企画部企画政策局情報政策課長)

 
 

ワーケーションの意味

昨今、よく耳にするようになったワーケーションですが、元々は「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語です。海外などでは休暇なのか仕事なのか、あえて曖昧な部分が多くありました。しかし、日本式のワーケーションを目指す中で、「Innovation(イノベーション)」や「Collaboration(コラボレーション)」の必要性、また参加される個人としても「Motivation(モチベーション)」を向上させていくこと、さらに自己研鑽の意味で「Education(教育)」の意味も込めています。和歌山県ではワーケーションを「ICTの活用等をすることで、リゾート地や地方など、普段の職場とは異なる場所で、働きながらも地域の魅力に触れることのできる取り組み」としています。この「ation」が単に「Vacation(休暇)」だけではないというのが、より日本式、また地方創生に即したものになっています。
 
 

ワーケーションの類型

ワーケーションは広範な概念であるものの、大きく「個人型ワーケーション」と「出張型(出島型)ワーケーション」の2つに分けられます。
昨今、よく取り沙汰されているワーケーションは働き方改革としての「個人型ワーケーション」です。これは、これまでオフィスでしか仕事ができないと思われていたものがデジタルを活用することで、自宅以外にもコワーキングスペースなど、生活圏内に留まらず自由に地域を選んで業務を行うことを意味しています。場所に制限されない働き方を実現することが目的であることから、個人が実施主体となります。
一方、和歌山県が取り組んでいるものは「出張型(出島型)ワーケーション」です。これはまさにイノベーションの創出と地方創生・地域課題解決への貢献等が目的となり、企業が実施主体となるものです。企業の成長戦略の一環として、外的な刺激を得て、共創を目指すことが可能です。地域課題は多々ありますが、これらをビジネスチャンスとして捉えていただくことも可能です。
 
 

和歌山県の実績

平成29年度より、全国の自治体に先駆けて取り組みを開始し、令和元年度末までの3年間で104社が和歌山県でのワーケーションを体験しています。行政としては、企業をお客様ではなくパートナーとしてご相談させていただいたり、ご要望をいただいたりと、共にイノベーションを興していこう、と考えています。具体的には、IT企業が和歌山でハッカソンを行ったり、自治体職員から地方課題についてお伝えし、参加企業がもつソリューションが活かせないか、また地方向けのソリューションが創れないかなどの議論を行ったりしています。さらに、実際に地域課題の現場に足を運んでいただくなどもしています。
受け入れ側としてのビジネスも生まれてきています。例えば、南紀白浜にワーケーション用の施設を設置し、人材育成の場としてもご活用いただいています。さらに地元企業も手を挙げてくださり、宿泊施設なども続々と出来上がっています。
 
昨年度には、ワーケーション自治体協議会(WAJ:Workation Alliance Japan)を創設いたしました。現在(9/15)までに104自治体が参加してくださっています。当初は先進的に進めてきた和歌山県のノウハウを他自治体に展開することに反対の意見もありました。しかし、我々としても社会全体としてワーケーションの認知を高めていき、企業にご関心を高く持っていただくことが、後に地方創生につながっていくと確信しておりました。その中で和歌山県を選んでくださるようにすればいいと考えています。結果、着実に参加いただく自治体も増えてきており、新型コロナの影響もあり、企業が今後のオフィスのあり方を議論する中で、多くのお問い合わせもいただいております。
 
 

和歌山県の受け入れ体制

このワーケーションの動きについて、地域としてビジネスチャンスとして捉えていただき、行政としても様々な企業にお越しいただいて満足していただけるように、地元の受け入れ体制について「Wakayama Workation Networks」として整えています。現在(9/15)までに 89サービスが登録いただいています。人数・日数などに応じて、ワークプレイスや宿泊施設、休日等を利用してのアクティビティなどが探せ、それらを組み合わせたプラン作成についても地元の旅行会社等が行えるようにしてあります。
 
参考:Wakayama Workation Networks
https://wave.pref.wakayama.lg.jp/020400/workation/index.html
 
和歌山県へのアクセスについて羽田空港から南紀白浜空港は約1時間(1日3便、JAL)ですし、空港からの各施設へのアクセスについても大変ご好評いただいています。昨年はAirbnbが選ぶ「2019年に訪れるべき場所」に和歌山県が日本で唯一選ばれるなど、観光資源も豊富にあります。このように非日常を楽しみながら生産性を高めるという点でもワーケーションの意義になると考えています。また、和歌山をイノベーション・フィールドとして、IT企業の本社機能の移転なども起こっています。
 
 

今、地方創生に必要なものとは? -デジタル活用とアプリ-

白石陸(株式会社メタップス データマネージメント事業部 コンサルタント)

 
 

要旨

  • 人口減少・超高齢化の進展、また新型コロナウィルスの感染拡大のなかで、地方におけるデジタル化の遅れが顕在化している。今こそデジタル技術活用による地方創生を見つめ直すべきである。
  • 活力ある若者の地方への定着を推進し、地方財政を立て直すためには、若者にとって理想的な環境を整備することが不可欠である。
  • 「住民向け行政サービス提供アプリ」の必要性と重要性を提言する。短期的には行政サービスの最適化と市民との対話、長期的には移住者の増加と財政再建が実現されるだろう。

 
 

なぜデジタルか

人口減少・超高齢化が進展するなかで、人口流入と同時に経済成長、財政再建につなげていくためには活力ある若者を地方へ引き付け、留めることが必要であり、そのためには彼らが使い慣れているサービス環境で行政サービスを実現することが有効です。
 
この活力ある若者にとっての「住みやすい」を徹底的に追求する試みは、若者の利便性を向上するとともに、行政にとっても内部の手続きなどの効率化や単純化につながり、双方にとって良い試みになります。この行政制度設計の最適化にあたって、デジタル化は避けては通れないと考えています。
 
また、行政サービスは、広く市民に伝達され、市民が簡単に活用できるように設計されるべきです。デジタルを介した行政サービスの提供は、市民の時間とお金の最適化がなされ、行政もペーパーレスによる経費・工数の最適化がなされ、まさに活力ある若者にとって理想の環境と言えるでしょう。
 
 

なぜアプリか

モバイルアプリはスマートフォンの中に実装されます。スマートフォンはもはや社会インフラと言っても過言ではありません。情報通信機器の世帯保有率の推移を見ると、固定電話やFAXが微減する一方、スマートフォンは急増しており、2018年時点で、世帯保有率は8割に迫っています。スマートフォンは日本において、最も活用されている情報通信機器です。
 
デジタルを介した情報公開・提供のカタチとして「ウェブ」と「アプリ」があります。多くの自治体はウェブで包括的に情報公開を行っています。しかし、それらが市民に広く伝達され、活用されているとは言えません。その理由はそれぞれの以下のような特性によるものです。
 

  • ウェブは静的で一方向であるため、網羅的に情報を公開することに適している。
  • アプリは動的で双方向であるため、最適なタイミングで最適な情報を提供することに適している。

 
つまり、ウェブはインターネット上にある掲示板のような役割であり、そこに立ち止まって時間をかけてじっくりと読むことは多くありません。受け身なウェブでの情報公開は、行政サービスをより市民に活用していただけないのです。
一方アプリは、インストールするハードルは高いものの、密で持続的なコミュニケーションが実現できます。さらに、アプリ内の動きについても分析することができ、行政にとっても市民がどのような点に関心があるのか、など認識することができます。よって、行政と市民の新しい関係を構築することにもご活用いただけると思います。
 
弊社では、アプリ活用の支援をしておりますので、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
 
 

あるべき行政サービスのカタチ

ウェブとアプリの両立が良いのではないか、と考えています。特性を生かし、ウェブで情報公開を行い、アプリでは情報提供を行うのが行政サービスのカタチが良いのではないでしょうか。
 

 
住民向けの行政サービスのアプリを用いて、日常生活に密着した情報、ライフステージにあった情報、非常事態に関する情報、などの提供を行うことができます。このような市民との対話や継続的で密なコミュニケーションが行政と市民との間で実現されることで、地域の暮らしやすさと行政への頼りやすさのイメージが醸成されると考えています。
 
既に山形県東根市では、「親子手帳」「ゴミ収集日の喚起」「防災情報」などがアプリを用いて市民に情報提供されており、その効果を財政面、人口面で見ることができます。
財政面では、決算が公表されている直近過去3年間(2016年〜2018年)で、各自治体の財政状況によって変化する地方交付金とふるさと納税分などを差し引き、市民税や固定資産税の合計である市税を見ると、全ての年度で増加しています。
また人口面では、2020年4月時点で17,817人であり、前年同月から308人(約1.7%増)も増加しています。さらに国立社会保障・人口問題研究所(2018)がまとめた将来推計人口では、山形県のうち東根市のみが人口増加すると推計されています。
 
このように「住民向け行政サービス提供アプリ」を実現することで、短期的には行政サービスの最適化と市民との対話、長期的には移住者の増加と財政再建が実現されるのではないでしょうか。
 


 
 
【登壇者】
御友重希(株式会社野村総合研究所 未来創発センター 主席研究員 / 財務省より官民交流)
桐明祐治(和歌山県 企画部企画政策局情報政策課長)
伊藤大貴(株式会社Public dots & Company 代表取締役)
白石陸(株式会社メタップス データマネージメント事業部 コンサルタント)
 
当日の様子はYouTubeにて、ご覧いただけます。
 

 

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