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「アプリ」と「Webサービス」の行動トラッキングと広告計測手法の違いを解説

今回は広告計測とユーザーのトラッキングというポイントに着目してWebサービスとアプリの違いについて紹介します。アプリはWebサービスとは違い、アプリストアを経由してサービスを利用する必要があります。その為、広告計測やユーザーのトラッキングの仕組みもWebサービスのものとは異なるので最低限の仕組みを理解しておくべきです。Webサービスの運営者でこれから初めてアプリを運営する方や、アプリのユーザーの行動トラッキングや広告計測の仕組みを知りたい方はぜひご覧ください。

行動トラッキングにおいての違い

Webサービス

Webサービスを運営する方は、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを使ってサイトの改善や分析をしている方が多いと思います。その仕組みについて簡単に説明します。

Webサイトを訪れたユーザーをトラッキングするには、Cookieが付与されている必要があります。そうすることで、ユーザーのログイン情報や閲覧履歴などのユーザーの行動データを入手することができ、その情報がアクセス解析ツールに蓄積されます。Cookieを活用することで、広告を閲覧した特定のユーザーのトラッキングやユーザーのサイトの訪問データを使ったリターゲティング広告などを配信することが可能となります。

※Cookie:Cookieは、アクセスしたウェブサイトによって作成されるファイルです。閲覧情報を保存することで、オンラインでのユーザー エクスペリエンスを向上させます。サイトでは、Cookieを使用して、ユーザーのログイン状態を維持したり、ユーザーのサイトの利用設定を記憶したり、ユーザーの地域に関連する情報を提供したりできます。

Cookieにはアクセスしたブラウザが直接発行する1st Party Cookieと、アクセスしているブラウザ以外から発行される3rd Party Cookieの2種類が存在します。

引用:Google Chromeヘルプ

アプリ

一般的にアプリのユーザーのトラッキングには、主にイベントとユーザー属性と呼ばれるデータが使用されています。イベントとは、アプリ版の計測タグのことで、アプリのユーザー行動データのことを指し、トラッキングの際に使用する主なイベントとその内容について紹介します。

※SDK:Softwear Development Kit の略。アプリを開発するために必要なプログラムや素材などが入っている開発キットのこと。広告やアプリ内の効果計測をする際にもSDKの導入が必要になります。

イベント(ユーザー行動)

イベントとは、ユーザーの行動履歴を蓄積するためのデータ保持方法のことです。アプリ内の特定地点にトラッキングコードを追加することにより取得することができます。イベント追加により、アプリのチュートリアル突破率や、どのイベントが継続率と相関があるのかを分析することができます。また、プッシュ通知やアプリ内ポップアップの配信条件にもよく利用されます。

ユーザー属性*

ユーザー属性とは、アプリ内のユーザに付与されるプロフィールデータのことです。主に年齢や性別、ユーザーレベルなどユーザを区別するために利用されます。イベントとは違い、データが蓄積されるのではなく上書きされるのが特徴です。このデータは、イベント同様に分析だけでなくプッシュ通知やアプリ内ポップアップの配信条件設定にも使われます。

*Googleのモバイルプラットフォーム「Firebase」では、ユーザープロパティとも呼ばれています。

広告計測においての違い

Webサービス

Webサービスの広告計測は商品の購入や資料請求など、コンバージョン地点を設置して広告の効果を測定します。コンバージョン後に遷移するサンクスページにコンバージョンタグと呼ばれるタグを設定することで、配信した広告から成果が出たことを判断することができます。出稿する広告にもパラメータを設置することが必要です。また、広告をクリックした際に、計測サーバにリダイレクトしてから、LPなどのリンクに遷移させる手法もあります。3rd Party Cookieと言われブラウザに依存しないCookieを発行することで、ブラウザをまたいだトラッキングが可能になります。

アプリ

冒頭で述べた通り、アプリの使用にはブラウザだけでなくアプリストアを経由することが必要です。アプリストアはWebサービスと仕組みが異なるため、インストールしたかどうかを測定する際にもCookieを活用したトラッキングが使えません。その代わりに広告計測の際に用いているメジャーな手法を紹介します。

広告ID

広告IDとはそれぞれのデバイスに付与されるIDのことです。iOSではIDFA(Identification For Advertisers)、AndroidではGAID(Google Advertising ID)と言われます。ユーザーが計測用の広告リンクをクリックした際に広告IDを入手し、インストール後、アプリが起動された際の広告IDと照合するという仕組みです。

iOS14.5への一般アップデートの施行により、IDFA取得のオプトイン化が本格的に始まりました。より多くのユーザから許諾を得るためにはこちらも合わせて参照ください。

【iOS14.5】ATTダイアログ、事前ポップアップの実例10選を解説

フィンガープリント(確率論的計測)

フィンガープリント計測は、上記の広告IDが取得できない場合に利用される計測手法です。これは計測用の広告のリンクをクリックし、アプリストアにリダイレクトする際に端末種別、ブラウザのバージョン、IPアドレス、端末の設定情報などデバイスID以外の様々なデバイスに関する情報を取得し、起動時に取得したデータと照合することで、同一ユーザーかどうかを類推する手法です。基本的に広告計測には広告IDが用いられるのですが、IDFAが取得できないWebでの広告計測や、ユーザーがIDFAの取得を端末で拒否している場合に用いられます。

インストールリファラ

インストールリファラとはAndroid固有のユニークIDのことで、この計測方法はAndroid限定です。アプリがGoogle Playからインストールされるとそのリファラが計測SDKに送信され、インストールと一致する流入元を特定する手法です。Google Play経由のインストールでは最も精度の高い手法です。

以前に公開したアプリの広告計測ツールについての解説記事がありますので具体的なツールについて知りたい方はご覧ください。

データの規制が進んできています

ユーザーデータをインターネットサービス事業者が利用することは、サービスにおけるユーザー体験の改善やターゲティング広告でユーザーが潜在的に欲している物を提案するなどのメリットがある一方で、プライバシー保護の観点から、ターゲティング広告などにイベントや属性データが活用されることに対する問題意識が年々高まっており、プラットフォーマーは、データの規制について様々な取り組みを進めています。

ITP

ITP(Intelligent Tracking Prevention)は、Appleが提供するブラウザSafariにおいて、ユーザーのトラッキングを抑制する機能です。2017年に行われた3rd Party Cookieの制限から始まり1st Party Cookieの制限まで進んでいます。Safariは国内シェア2位のスマホブラウザであり、ユーザーのデータ活用を進めたい事業者にとって、この規制の影響はとても大きく対策が必要です。

2020/1 モバイルブラウザシェア

参考:Chromeが依然としてトップ – 1月モバイルブラウザシェア

IDFAのオプトイン化

2020年12月現在、IDFAの取得はオプトアウト形式でユーザーがデータの取得を拒否する事が出来ますが、2021年春からIDFAの取得がオプトイン形式に変更される見通しです。IDFA(Appleの端末に割り振られる端末ID)の取得をオプトイン形式になる事で、事業者側はIDFAの取得に関してユーザーの許諾を得る必要が出てきます。その結果、上述した計測精度の非常に高い広告IDによる計測率が下がることが予想され、計測SDK事業者は広告計測手法のアップデートが求められています。

より詳しく知りたい方はこちらを参照ください。
【iOS14.5】IDFAオプトイン化の広告への影響と今後取るべき戦略とは?

Chromeの3rd Party Cookieの規制について

Safariでの3rd Party Cookieの制限と同様、国内のシェアが最も大きいChromeにおいてもトラッキングの規制をするとGoogleが発表しました。この規制により広告計測やユーザーのトラッキングがCookieを活用できなくなると、それに代わる新たな計測やトラッキングの手法の創出が求められます。

この他にも、国外だと欧州のEU一般データ保護規則(GDPR)やアメリカのCCPAなど様々な規制が存在します。

参考:Chromium Blog

まとめとアプリ事業者がやっておくべきこと

Webサービスとアプリはトラッキングや広告計測の仕組みが異なるので、同じ方法では期待通りの結果を得ることができません。それぞれに適した施策やツールを利用することが必要になります。
また、Webサービスやアプリは、Google、Appleのようなプラットフォームに依存しており変化が早いので、常に最新のデータや状況をキャッチアップすることが大切です。

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