

新型コロナウィルスが世界中に猛威をふるい始めて、1年以上経過しています。世の中の在り方が変わりつつある中で、顧客との接点をデジタル上に構築する必要性を感じている企業様は多いのではないでしょうか。そんなデジタル化推進の中でも特に顧客と継続的にコミュニケーションを図り、ファンに育てていくことを狙うサブスクリプション型のサービスは益々増加傾向にあります。
既存アプリのサブスク化を検討している事業者さまやサブスクアプリの運営に興味のある事業者さまはこちらもぜひお役立てください。
サブスクアプリの成長のポイントとは?【非デジタル編】
そんな昨今のサブスク・会員制アプリのトレンドと、継続的にサービスを利用してもらう為にアプリにおいて行うべきマーケティング施策について、アプリ市場分析サービス「App Ape」を提供するフラー社と共催で2020年12月にウェビナーを開催いたしましたので、その内容の一部をブログにてご紹介いたします。
本ウェビナーの内容をもとにスライド化した資料はこちらからDLいただけます。
【サブスクアプリ向け】ファン育成のためのアプリ内マーケティング設計のコツ
また、本ウェビナーを録画した動画はこちらからご覧いただけます。
アプリ市場データから見る、サブスク/会員向けサービスのトレンドについて
①サブスク・会員制アプリのトレンドご紹介
サブスクリプションとは、商品ごとに購入金額を支払うのではなく一定期間の利用権として料金を支払う方式のことです。これは音楽、動画、映像をはじめ、アパレルやマッチングなど幅広い業界に導入されている方式で、継続的に収益を上げ続けられることが事業者にとって魅力となっています。
以下はフラー社が定義しているサブスクリプションアプリのリサーチデータです。
この中でもトレンドとして、動画のアプリを利用するユーザーは2020年11月時点で2016年6月の36.7倍にになっており、サブスクリプション全体でも6.6倍とユーザー数は増加傾向にあります。
②会員向けサービスを展開する上で重要な指標とは?
重要指標としては以下の4つが挙げられます。
今回は動画配信サービスを例として上記の指標を解説していきます。
各マーケターの方はインストール数を重要指標として見ている場合が多いと思います。しかしインストール数だけを見ているとそのユーザーがどのくらい定着するか不確かであるため、インストール数と継続率を合わせて指標として設定することが大切です。
次に、アプリの利用定着につながっているかを決めるにはアプリの利用率を見ることが必要です。アプリを所持しているユーザーを100%とし、休眠ユーザー、ライトユーザー、ミドルユーザー、ヘビーユーザーと利用頻度ごとに分けます。正しくユーザーが定着しているという点ではU-NEXTが成功していると言えます。
サービスの満足度は解約の阻止率につながっていきます。利用定着の割合が高いアプリはどの程度か、また自社はどこを目指すのかを、市場データを見ることにより意思決定することが大切です。
③アプリ市場データ、競合データ比較の事例
Disney+は2020年6月にサービスの提供を開始している動画配信サービスです。ユーザーの属性を見てみると、Disneyの動画を子供に見せたい子育て世代の30~40代女性の利用が非常に多いことがわかります。
次にDisney+と同時所持率の高いアプリを見ていきます。Disney+のユーザーはその他のDisneyサービスや家族向けのサービスを利用していることがわかります。相性の良いサービスがわかることで、広告出稿先の選定に活用していくことができます。
Amazon プライムビデオは自粛期間の20年4,5月はかなり利用が増えていることがわかります。6月以降はユーザー数が低下しますが、動画視聴の習慣は定着したと言えます。その他の動画配信サービスでもユーザー数の増加は起きており、業界的にユーザー伸長に成功していることがわかります。
利用頻度が高いアプリの特徴について、「くら寿司」と「スシロー」と「かっぱ寿司」の回転寿司チェーン3社のアプリを比較します。他カテゴリーのアプリと比較しても、所持ユーザー数に対する月間起動者の割合がかなり高い水準になっています。予約機能にとどまらずゲーミフィケーションの要素を加えることで利用率が向上したという事例です。
アプリ内データから見るサブスクアプリがファン育成のために行うべきアプリ内マーケティングの設計のコツ
これまではアプリ外のデータの活用方法がテーマでした。次にアプリ内のデータを活用してサブスクアプリのユーザーエンゲージメントをどう高めていくかについて解説します。
サブスクリプションサービスの市場について
利用経験が多いのは動画や音楽サービスですが、下位に美容やファッションサービスなどが続いています。サブスクリプションサービスの利用経験者も増加傾向にあり、所有するのではなく”利用する”という概念が徐々に普及しており、今後もトレンドとして変わらない可能性があると言えます。
サブスクリプションは上記のサービスカテゴリーに留まらず、日本サブスク大賞にてグランプリを受賞した、保育所におむつを届ける「手ぶら登園」や、シルバー賞のスムージー配達サービス「GREEN SPOON」など様々な業界で採用されている方式です。
アプリというプラットフォームの活かし方
アプリはユーザーへの接触が能動的に行えるため、狭く深く既存ビジネスのロイヤリティを高めるのに適しています。一方でWebはユーザーへの接触が受動的であり、広く浅くユーザーにリーチすることに適しています。
そのような特性を持つアプリと相性の良いサービスであるかを判断するには、下記4つの要素があると思っています。世の中の多くのユーザーに使われているアプリはその中から3つ以上の要素が含まれていることが多いと考えられます。キャッシュレス決済系、デリバリー系、店舗誘導系やソーシャルゲームはアプリと相性が良いと言えます。
アプリ運用において見るべきKPIについて
アプリの売上はユーザー数とユーザーあたりの利益の2つの要素から構成されており、それぞれの数値を増加させるための施策を打つことが必要です。
今回のテーマである「サブスクリプション」にとって重要な指標としては、既存ユーザーの割合、復帰ユーザーの割合、取引頻度が挙げられます。
サブスクリプションモデルにおいて重要なこと
アプリにおいてユーザーと能動的にコミュニケーションをとっていく際には、アプリ内から行える代表的な施策として「プッシュ通知」と「アプリ内ポップアップ」を目的や場面に応じて使い分けていくことが重要です。
アプリ内マーケティングは、施策目的とユーザーステータスに合わせて設計を行い、ユーザーモチベーションに即してパーソナライズした施策を行うことで期待した効果が見込めます。反対にその設計とパーソナライズを怠るとユーザーにとってノイズとなり、通知の拒否やアンインストールを招く可能性があります。
ディスカッション
アプリ外のデータの活用方法について
運営しているアプリのMAU数を自社だけで見るのではなく、マーケットシェア、他社アプリの動向を踏まえて自社アプリの戦略を決定することが効果の最大化及びリスクの最小化に繋がります。
市場データから見たアプリと相性の良いサービスの要素について
例えば、同じドラッグストアアプリでも起動率はユーザーに提供するコンテンツによって様々です。ウェルシアアプリは店舗に来店しなくても利用できる「毎日引けるくじ」やゲームコンテンツの配信、マツキヨアプリは店舗やオンライン利用できるクーポンを配信するゲーミフィケーションの要素や付加価値を提供することによって、ユーザーにアプリ起動を促すことに成功しています。
App Apeについて
App Ape(アップ・エイプ)は、スマホアプリの実利用データを提供するアプリ分析サービスです。テレビにおける視聴率情報のスマホ版のような位置付けで、どのアプリがいつ・誰に・どのくらい使われているかといったデータをご覧いただけます。スマホアプリの実利用データに加え、ストア情報や属性情報など横断的なデータを提供しており、市場・競合調査を始めとするアプリの企画・マーケティングに幅広くご利用いただけます。
アプリ開発会社や広告代理店・金融機関など、アプリに関わる法人・個人様にご活用いただいており、これまでに国内外5,000社以上の企業・団体様にご利用いただいております。
Metaps Analyticsについて
「Metaps Analytics」は広告計測とアプリ分析、CRM施策の機能を備えたアプリのマーケティングプラットフォームです。広告流入経路の判定から、ユーザー行動の分析、プッシュ通知、アプリ内ポップアップ等のアプリ内施策までを1ツールで実現します。また、報告書やレポートが作りやすい、直感的で見やすいダッシュボードになっており、カスタマーサポートが充実しているので、アプリ分析ツール運用初心者の方にもおすすめです。
また、何か不明点やご質問等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。
——————————
お問い合わせ先
株式会社メタップス データマネジメント事業部
contact
Mail:biz_dm@metaps.com