

はじめに
株式会社メタップスは、2021年3月25日に「【インストール数だけ見ていませんか?】企画〜リリース初期段階のアプリ担当者様必見!フェーズ別に見るべきアプリ内外のKPIを徹底解説!」と題したセミナーを、アプリ市場分析サービス「App Ape」を提供するフラー株式会社と共同開催いたしました。
今回も前回に引き続き、新型コロナ感染拡大、リモートワークの定着などの社会情勢を踏まえてオンライン開催となりました。本ブログ記事はセミナーのレポートの内容をレポートします。
また、本ウェビナーの内容をもとにスライド化した資料はこちらからDLいただけます。
【企画〜リリース初期アプリ向け】見ておくべきKPIとデータ活用のススメ
セミナー趣旨の説明
アプリ事業者様が抱えている課題として、下記のようなものをご相談いただく機会があります。
「データは取っているもののどうデータを解釈したらいいのか?」
「どう施策に落とし込んだらいいのか?」
アプリ運営において欠かせない重要なデータの取得、扱い方についてです。
上記のような悩みを解消できずにアプリをリリースして運営を続けていると、アプリの進捗を理解するために「インストール数だけとりあえず見ている」というケースに陥り、アプリの評価や改善がうまくいかずアプリ事業の成功確度が上がってきません。
そこで今回のウェビナーでは、アプリ外の市場データを保有している「App Ape」とアプリ内のユーザー行動分析ツール「Metaps Analytics」から取得できるデータをもとに、それぞれどんなKPIを取得し、どのように活用するのかについてアプリのフェーズごとに解説します。
アプリフェーズの説明と目次
本セミナーではアプリのフェーズを以下の4つに定義してお話しします。
では早速、企画段階のアプリ内外のKPIとポイントについて解説します。
①企画段階
ポイント:カスタマージャーニーを整理し、KPIを決定
データを取得しておいた方がいいことはわかるが、リリースに向けて必然的に発生する業務でリソースが足りなかったり、データ取得の設計を考える担当が社内にいなかったりなどの理由で、放っておくとインストール数や売上などの基本KPIだけをとりあえず見ているという状態に陥っているということをよく見聞きします。
リリース直後に垂直立ち上げでインストールが急増し、初動でユーザーデータが溜まるようなアプリであれば、その段階でデータを見られるようにカスタマージャーニーなどを用いて全体感を把握した上で、データの取得・分析に取り組むことが出来るのが望ましいです。。そのために、事前にカスタマージャーニーの設計とKPIの落とし込みを行うべきであると考えます。
しかしながら、実際のところはリリースに向けた他タスクで手一杯で考える余裕がないというケースも多くあるかと思います。
そこで、弊社が考える「リリースに向けて最低限取得するべきKPI」を2点お伝えします。
1.KGI(売上、有料会員登録)
2.中間KPI(無料コンテンツ利用、カゴおちなど)
事業運営における最重要指標であるKGIに加えて、そこに至るまでの中間KPIを策定することで、どこに課題があるのかを把握することが可能になります。
今回は店舗アプリに絞って具体的な事例を解説します。
弊社で取り組みをさせていただく際によく使用するのがこちらのKPIツリー、ファネル、カスタマージャーニーです。
まずは、アプリのKPIがどのような方程式で成り立っているのかをKPIツリーで分解します。ファネルを用いることで、アプリ内でのユーザーの行動を仮定して、インストールから理想の状態までどういうステップがあるのかを下記のとおり整理します。
その上でどういう行動が行われるのかを想定して、ファネルに合わせてユーザーの行動を整理するために、カスタマージャーニーを下記のように作成します。
インストール数はアプリの成長を語る上で重要な指標ですが、ユーザーが定着してアクティブユーザーとして積み上がっていかないと、アプリとして成功しているとは言えません。そのために、どこに課題があるのか把握する手段として中間KPIをセットして分析をする必要があります。
②リリース初期
ポイント:行うべき分析を理解する
「アプリ企画段階のデータは取ったが、何をどの様に解釈をして見ればいいのかわからない」
リリース初期によく見聞きする課題としては、とりあえずデータは取っておいたが定期的に見るべきKPIがわからないということも多いです。
そこでリリース前に作成しておいたカスタマージャーニーで考えたKPIを基に、想定していた数値感になっているか、分析と仮説検証を行っていくことがおすすめです。
ファネル分析
実際に行うべき分析の1つ目はファネル分析です。リリース前に作成したファネルを用いてアプリの全体像の中でどこに課題があるのかを特定するために行います。
アプリをリリースした段階で、想像通りユーザー獲得が進むのは珍しいといえます。大抵は想定していたユーザーの動きと異なるため、インストールしたユーザーがファネルの動きをしているかをイベント突破率で確認しながら、分析やユーザーが定着しない原因の特定していきます。
例えば、「カスタマイズ」→「ポイント」間での遷移率が想定していたより低かったとします。その場合、ここの歩留まりを改善するようなキャンペーン施策やアプリ内の改善を行うと良いのではという示唆を得ることができます。
セグメント分析
30日間のユーザーの起動頻度を流入チャネルごとで分けてセグメント分析を行った事例です。
リリース前の仮説が反証されました。どこからユーザーを連れてくれば売上やファネルの歩留まりが影響するのか再検討する機会を、セグメント分析により得られました。
③成長期
ポイント:分析に基づいた正しいアプローチを行っていく
アプリが成長期に入り全体のユーザー数が増えると、利用頻度の低いライトなユーザーも増えてきます。そこで利用頻度を高めるアプリマーケティングを行う必要があります。運用担当者サイドでアプリ内マーケティングを実行、分析できる環境の整備を行うことが望まれます。
施策の実施頻度を高めるためには、開発側に都度依頼をするというフローではなく、アプリ内マーケティングの運用者側でいつでも出来るようにしておく必要があります。
よくあるケースとして、「プッシュ通知を配信するユーザーリストを抽出するため」や「プッシュ通知の配信設定を行うため」に開発チームへの依頼が必要な事があります。その様な運用方法だと、依頼や確認などが都度必要になり、タイムロスが発生し、スムーズな施策の実行や改善の障壁になるケースが多々あります。これを防ぐために、アプリ内マーケティングの実行やユーザー行動分析の環境は事前に整備をしておく事が望まれます。
有効なアプリ内マーケティングの実施方法については、別途おまとめしておりますので、ご興味のある方は上記からご覧ください。
④成熟期
ポイント:既存ユーザーのデータ資産を活用する
成熟期の位置付けとしては、急激な成長を終えて日々の新規インストール数も安定化してきた状態と捉えています。成熟期の場合は、コアな既存ユーザーを中心にアクティブユーザーの積み上げや維持が重要になってきますが、ユーザーの離脱や長期休眠ユーザーの増加という点が課題になってくる事が考えられます。
その課題の解決の方向性として以下の2つの方針があります。
①プロダクトのターゲットを拡張する
②既存のユーザープール活用(休眠復帰施策)に注力する
①については、一定のマーケティング予算を投下していく必要があることも多く、実現するためのハードルの高さがあります。
一方で、②については過去インストールしたユーザー資産の活用ができるため、効率よく改善施策を実行できます。したがって、今回は②について解説していきます。
休眠復帰施策を行うにあたり、まずは「いつアプリをインストールしたユーザーがなぜアプリを休眠したかを考える」ということがとても重要です。休眠復帰施策を始めるタイミングとしては、休眠する理由を把握しその上でアプリを改修してから段階的に始めるのが理想的です。
原因を特定し改修する前に施策を行っても、復帰後にユーザーが定着せず施策効果が最大限に発揮されにくいケースが多くあります。
まとめ
以上のようにアプリの成長フェーズやカテゴリーなどによって見るべきKPIは異なりますが、アプリ内外のデータを正しく取得し、両者の役割分担を明確にした上で掛け合わせて活用することで、アプリの成功確度を高める事が可能になります。
今回事例として取り上げたECアプリ、サブスクアプリ、店舗アプリを運営している事業者様や、それ以外のジャンルでもアプリの運営に課題感を持っている事業者は、以下のリンクからぜひお問い合わせください。
プロダクト紹介
App Apeについて
App Ape(アップ・エイプ)は、スマホアプリの実利用データを提供するアプリ分析サービスです。テレビにおける視聴率情報のスマホ版のような位置付けで、どのアプリがいつ・誰に・どのくらい使われているかといったデータをご覧いただけます。スマホアプリの実利用データに加え、ストア情報や属性情報など横断的なデータを提供しており、市場・競合調査を始めとするアプリの企画・マーケティングに 幅広くご利用いただけます。
アプリ開発会社や広告代理店・金融機関など、アプリに関わる法人・個人様にご活用いただいており、これまでに国内外5,000社以上の企業・団体様にご利用いただいております。
Metaps Analyticsについて
「Metaps Analytics」は広告計測とアプリ分析、CRM施策の機能を備えたアプリのマーケティングプラットフォームです。広告流入経路の判定、ユーザー行動の分析、プッシュ通知、アプリ内ポップアップ等のアプリ内施策までを1ツールで実現します。また、報告書やレポートが作りやすい、直感的で見やすいダッシュボードになっており、カスタマーサポートが充実しているのでアプリ分析ツール運用初心者の方にもおすすめです。