Metaps logo

BLOG

最新情報

【iOS14.5】IDFAオプトイン化の広告への影響と今後取るべき戦略とは?

トレンド
2021.06.30

iOS14.5への一般アップデートの施行により、IDFA取得のオプトイン化が本格的に始まりました。オプトイン化が適用されるiOS14.5以上のユーザー比率はオプトイン化が開始した4月下旬から上昇を続け、6月下旬には60~70%程度まで到達しました。
今後さらにアップデートが進むことを考えると、オプトイン化によってアプリ事業者が受ける影響を正確に理解し、速やかに対応する必要があります。

IDFAのオプトイン化について

オプトインとは

オプトインとは、個人情報の提供や通知の送信などにおいてユーザー側に選択権がゆだねられている状態を指します。オプトインが適用されている場合、事業者はユーザーから明確な許可をもらわなければそれらの行為をすることはできません。

IDFA(Identifier for Advertisers)とは

ユーザーの行動をトラッキングするためにAppleから個別の端末に付与されるIDのことです。アプリ事業者はこのIDを利用することで、端末単位で「どの広告経路からアプリをインストールしたのか」について知ることができます。
そこで得られたデータは、広告の領域では主に2つの機能のために使用されてきました。

①アプリ広告の効果測定
②リテンション広告(ターゲティング広告)

①アプリ広告の効果測定

IDFAを活用出来る事によって広告媒体ごとのインストール獲得数を広告計測ツールで把握することができるので、どの広告媒体での獲得が効果的なのかを測ることができます。
また、流入経路だけでなくアプリ内での行動データの計測の一部としてもIDFAが使われています。

②リテンション広告

リテンション広告とは、ユーザデータを活用してセグメントを作成し、そのセグメントに対して広告を配信する手法です。一般的に過去に一度インストールしたユーザーが休眠してしまった、もしくは起動頻度が減ってしまった際に起動を促す目的でターゲティングをして広告を配信します。配信対象にしたいユーザーを条件別でセグメントに分けてIDFAと共に広告計測ツールからユーザーリストを抽出し、広告媒体にそのリストを入稿することで配信が可能になります。

IDFAが取得できないことによる広告への影響

最も大きな影響は、広告を配信する際に特定のユーザーに絞った配信ができなくなることです。IDFAがなければユーザーのターゲティングはできず、広告配信者が特定の顧客に意図的に接触を図ることはできなくなります。
また、上で説明した①の広告効果測定の精度も低くなります。これまでIDFAの取得はオプトアウト式で任意で端末の設定からオプトアウトするユーザーのみ取得不可でしたが、今回のオプトイン化はアプリ初回起動時に必ず取得許諾への承諾が必要になる為、IDFA取得率が減少する事でIDFAによる広告計測の割合も減少しました。IDFAが計測できない場合に代替される計測手法もいくつか存在しますが、ほぼ100%と精度の高いIDFAを活用した計測には劣ってしまいます。

iOS14.5リリース前後のIDFA取得の許諾率について


こちらがMetaps Analyticsが独自に実施したiOS14.5リリース前後のIDFA許諾率の調査結果になります。
左のグラフはiOS14.5リリース前の2021年4月1日‐26日、一方で右のグラフはリリース後の6月1-27日における許諾率の平均値を示しています。懸念されていた通り、IDFA取得を許諾しているユーザーは大幅に減少し、6月には半分を下回っていることが分かります。尚、許諾率に関しては、iOS14.5以上のユーザー比率が増加するのと反比例して減少していく為、今後は更に低下する可能性も考えられます。

アプリ事業者は今後どのように対応するべきか

以上の状況を踏まえて、今後アプリ事業者はどのような対応をとる必要があるのでしょうか。
それは以下の2つだと考えられます。

・アプリ内マーケティングに注力する
・許諾ユーザーを増やす

アプリ内マーケティングに力をいれる

今まで離脱したユーザーや離脱しそうなユーザーへの復帰施策は主に2種類ありました。
①リテンション広告
②プッシュ通知
しかし、先ほど説明した通り今後①のリテンション広告を配信できる対象が減少していくため、これまで通りの効果は見込みづらいとされています。そのため、②のプッシュ通知を活用する重要性が相対的に高まっています。

プッシュ通知の効果をどのように上げるか

プッシュ通知をより活用するために取り組むべきことは2つあります。

1 プッシュ通知の許諾率を高める
2 プッシュ通知の検証を行い、ユーザーの離脱率を抑止する

1 プッシュ通知の許諾率を高める

プッシュ通知の許諾率を高める施策として、プッシュ通知の事前ポップアップの活用があげられます。

参考:「Creema」アプリ

プッシュ通知の事前ポップアップとは、プッシュ通知許諾ポップアップ(右)の前に、通知の許諾を促すポップアップのことを指します。

参考:「FARFETCH」アプリ、「TVer」アプリ

上の2つの事前ポップアップ事例では、配信する具体的な内容を示すことで許諾するメリットを提示しています。このように事前ポップアップはユーザーのプッシュ通知の許諾率を上げるための施策として活用することができます。

2 プッシュ通知の検証を行いユーザーの離脱率を抑える

プッシュ通知は、休眠したユーザーの復帰にも効果はありますが、より効果が期待できるのは既存ユーザーの離脱を抑止する≒継続率を高める効果です。こちらの弊社のプッシュ通知検証レポートを見てみると、プッシュ通知送信後1週間のDAUが送信しなかった場合と比べて高いことが分かります。

参考:プッシュ通知の分析結果から考える“超”本質的な活用方法<離脱抑止編>

また、プッシュ通知について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

このように、プッシュ通知の活用には大きな効果があることが分かります。そして、この効果をさらに高めるためには仮説検証を通して各プッシュ通知の効果を上げることが重要です。具体的な検証項目には、配信時間、配信セグメント、テキストの訴求内容などがあり、ユーザーのライフスタイルの変化やアプリの機能アップデートに応じて継続的に検証することでより効果を高めることができます。

その際にポイントとなるのは、プッシュ通知サービスの料金体系です。プッシュ通知の料金体系には配信数やデータ量に応じて課金される従量課金制と定額制の2種類がありますが、従量課金性のツールでは課金額を気にするために十分な検証を行えない可能性があります。定額制のツールではそういった心配がなくなるため、プッシュ通知の効果検証に注力したい事業者さまにはお勧めです。

IDFA取得の許諾ユーザーを増やす

前提として、ATTフレームワークを実装していなかったためにユーザーにIDFA許諾ダイアログが表示されなかった場合、そのユーザーは「未許諾」となりIDFAは取得できません。また、一度IDFA取得を拒否したり「未許諾」になっているユーザーが、端末の設定画面から「許諾」に変更するケースは多くないと考えられます。
そのため、今後アプリ事業者はなるべく早くATTダイアログと事前ポップアップの利用、改善を通して新たにアプリをインストールしたユーザーの許諾数を向上させることに注力する必要があります。
ATTダイアログと事前ポップアップの説明や実例についてはこちらの記事をご覧ください。

おわりに

今回は、IDFAのオプトイン化がもたらす影響と、その対応策についてお話ししました。

オプトイン化がもたらす影響
①広告効果測定の精度が落ちる
②リテンション広告での広告接触率(= ユーザー接触率)が減少する

今後取り組むべきこと
①アプリ内マーケティングに注力する
②許諾ユーザーを増やす

多くのアプリ事業者さまは今後も引き続きiOSアップデートへの対応に追われることと存じます。本記事をぜひ自社のアプリ運営にお役立てください。

—————-
お問い合わせ先
株式会社メタップス データマネジメント事業部
お問い合わせ